バイオ系だけどプログラミング始めました

ImageJ (Fiji)の使い方や Python でのプログラミングなどを、主にバイオ系の研究者・大学院生向けに書いていこうと思います。

ImageJ Fiji のインストールと Fiji

 目次

 

ImageJ について

ImageJとは、Java というプログラミング言語で書かれた画像解析のためのソフトウェアです。

ImageJ - Wikipedia

 

ImageJ はオープンソースソフトウェア、つまり、どういういう仕組みでプログラムが書かれているかが公開されています*1Java で書かれているので、OS に依存せず WindowsMacLinux 上で同様に動作することが特徴です。

オープンソースで、かつ誰もが自由に使うことができ、プログラムが画像をどういう処理をしているかが明確なので科学技術計算に向いているため、広く使われています。ImageJ は元々はNIHで開発されたため、生命科学系のツールが豊富で、生命科学系の分野でのデファクトスタンダードとなっています。

 

 

Fiji について

Fiji はその ImageJ の種類の内の一つで、元々の ImageJ に様々な機能が追加されているパッケージです。オープンソースである ImageJ は、研究者・開発者により機能の追加が容易にできます。Fiji is just ImageJ (Fiji こそがまさに ImageJ だ)と表現されるように、Fiji はオープンソースである ImageJ の利点を最大限に活かして多くの機能が追加され、まとめられています。

Fiji をインストールすれば多くの機能を利用することができます。例えば、超解像顕微鏡の一つであるSTOMのデータ解析のためのプラグインが含まれています。また、Java 以外のプログラミング言語で ImageJ を操作したり機能の追加をする機能も付属しています。

 

色々と書きましたが、生物化学・生命科学分野で画像を扱うなら、ImageJ を使えば大体オッケーだし、基本的には Fiji はノーマルの ImageJ の上位互換なので Fiji をインストールすれば間違いはないです。

 ただし、Fijiは追加機能の読み込みのために、最初の起動にImageJに比べて時間がかかります。起動さえしてしまえば動作の早さに差は無いですが、起動の遅さはデメリットかもしれません。

Fiji のインストール

imagej.net

上のリンクの Downloads から、自分のOSにあったものをクリックしてダウンロードしましょう。基本的に Java 同梱されているので、別個での Java のインストールは必要ありません(No JRE だけはJavaが入っていないver)。あなたのPCに既にJavaがインストールされていても、Java同梱版を選んでインストールするのが無難です。Javaのバージョンの違いで予期せぬトラブルが起きる可能性は無くはないですし、デメリットは数十~百MBほど容量が大きくなる程度です。

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Windows へのインストールについて

上のリンクの Downloads から、32-bitか64-bitか自分のOSにあったものをクリックしてダウンロードしましょう。ダウンロードしたファイルを解凍すると ImageJ-win64(もしくは32).exe というファイルがあるのでそれをダブルクリックして実行すれば起動できます。

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後はフォルダを適当な場所に移動させましょう。ImageJ の公式は、C:\user\[user name]\ の下にImageJのフォルダを置くことを勧めています。

 

Mac へのインストールについて

上のリンクの Downloads から、macOS を選んでダウンロードしましょう。dmgという仮想イメージがダウンロードされるので、dmgファイルを開いて出てきたファイルを選んで Application フォルダにコピーしましょう。コピーが終われば、Fiji のアイコンが表示されるのでそこから起動できます。f:id:shatoshi:20170607232250j:plain

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Linux へのインストールについて

わざわざ Linux を使うような変態人はコンピュータの操作に詳しいと思うので、説明が必要だとは思わないので省きます。まぁそんなに難しくはないでしょう。

 

Fiji ImageJ のバージョンの確認

Fijiを起動してみましょう。すると、青色の Fiji のアイコンが表示された後、

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こんな感じでメニューが出てきます。Macでは上のバーのところにメニューが表示されます。

この Help -> About ImageJ をクリックしましょう。すると、f:id:shatoshi:20171109154121j:plain

こんなウィンドウが表示され、ここにImageJとJavaのバージョンが表示されます。解析の再現性を担保するために、論文や進捗報告のMethodsには、ImageJ と Java のバージョンを記載ましょう。

論文への引用

研究で Fiji を使って論文を出す際には、以下の論文を引用すればよいです(先のFijiのページ下部に書いてあります)。

Schindelin, J.; Arganda-Carreras, I. & Frise, E. et al. (2012), "Fiji: an open-source platform for biological-image analysis", Nature methods 9(7): 676-682, PMID: 22743772

ImageJ や Fiji のようなソフトウェアの開発や保守のためには研究費が必要となります。多くの人に引用されていれば、研究費がとりやすくなりますし開発者のモチベーションにもつながります。積極的に引用しましょう。

 また、Fijiに入っているプラグインの多くは引用すべき論文やurlなどもあります。お世話になったものは是非引用しましょう。

 

 

ImageJについての書籍やリンク

ImageJ の使い方については「ImageJで始める画像解析」という本が良書です。画像データの基本などの初心者向けの内容から入り、生物系の顕微鏡画像の具体的な定量解析や、有用なプラグインの活用法まで書いています。顕微鏡がある研究室には一冊置いておくべきだと思います。そこのあなた、ぜひボスにねだって買ってもらいましょう。できればこのブログのリンクから

 

 

また、基本的な使い方は、以下のリンクが参考になります。

今後このブログにも使い方を書いていく予定です。

imagej.net

seesaawiki.jp

*1:オープンソースと一口に言っても色々ライセンスの種類があるのですがそれは置いときます